• 栄養Topics【甘い飲料水とがんリスクの関係について】

    2019/12/09

    【甘い飲料水とがんリスクの関係について】   フランス・パリ13大学の研究で、甘い飲み物の摂取量ががんリスクに比例する可能性があると発表しました。 この数十年間で、糖分入り飲料の摂取は世界中で増えており、肥満リスクとの関係は明らかです。肥満は多種のがんの強いリスク因子であると考えられていますが、糖分入り飲料とがんリスクの関係についての研究はいまだ限られています。 今回の研究では、糖分入り飲料(加糖飲料と100%果汁飲料)、人工甘味料入り(ダイエット)飲料と、がんリスク(全がん、乳がん、前立腺がん、大腸がん)との関係について調べました。 対象者は、フランスの「NutriNet-

  • 栄養Topics【大豆とコレステロール値の関係について】

    2019/11/14

    【大豆とコレステロール値の関係について】   カナダのトロント大学の研究チームが、過去20年間に蓄積された臨床研究のメタアナリシスの結果から、大豆たんぱく質にはコレステロール値を低下する働きが一貫して認められたと報告しました。 研究者らは累積メタアナリシスで過去20年間の研究結果の統合解析を実施し、大豆の影響を調べました。対象とした研究は、FDAが2017年に大豆の健康強調表示の取り消し案を出した際に引用した46件。 これらの研究をそれぞれ個別にみると、大豆のコレステロール低下作用には一貫性が欠如しているが、今回の累積メタアナリシスの結果では、46件すべてにおいて大豆が総コ

  • 栄養Topics【辛い物好きは食塩の摂取量が少ない?】

    2019/10/30

    【辛い物好きは食塩の摂取量が少ない?】   中国人民解放軍第三軍医大学大坪医院高血圧・代謝疾患センター(中国)のZhiming Zhu氏らの研究チームは「減塩や血圧を低下させるための介入として、辛い物の摂取を促進することが有効である可能性がある」と発表しました。   食塩の摂取過多は高血圧のリスク因子であり、心血管イベントのリスクを高めることは良く知られています。 このため有効な減塩方法の研究が数多く実施されてきました。 そこで唐辛子に含まれている辛み成分であるカプサイシンに塩味を強く感じやすくさせる作用があることに着目し、辛い物を食べることで食塩の摂取量が減少す

  • 栄養Topics【ヨーグルトの摂取が癌の病変リスクを下げる!!】

    2019/10/21

    【ヨーグルトの摂取が癌の病変リスクを下げる!!】     ワシントン大学医学部らの研究チームが、週当たり2サービング以上のヨーグルトの摂取は、男性の大腸がんにつながる異常増殖(腺腫)のリスク低下と関連するかもしれないと発表しました。   研究は医療専門職追跡調査の男性32,606名および看護師健康研究の女性55,743名のデータを解析しました。 参加者は、4年ごとに生活習慣、食事などを調べ、定期的に大腸内視鏡検査を1986年から2012年にかけて受診しました。 (期間中に男性で5,811件の、女性で8,116件の腺腫が発見された。)   デ

  • 栄養Topics【ビタミンD欠損がサルコペニアや筋機能障害をひきおこす!!】

    2019/10/15

    【ビタミンD欠損がサルコペニアや筋機能障害をひきおこす!!】   豪ウエストミード医学研究所の研究チームがマウスを用いた実験から、正常な筋肉の大きさと強度には、ビタミンDによるシグナル伝達が必須であることを発表しました。 研究ではビタミンD受容体が欠損しているマウスと正常マウスを比較、観測しました。   その結果、ビタミンD受容体が欠損しているマウスは正常マウスと比較して、筋肉が小さく、強度も低いことが分かりました。   ・ビタミンD欠損マウスは自発的な車輪走行距離が22%減少(P = 0.009) ・除脂肪体重が正常マウスは、欠損マウスに比べて2

  • 栄養Topics【多価不飽和脂肪酸やミネラルが多く含まれる食事が癌リスクを下げる!!】

    2019/10/08

      【多価不飽和脂肪酸やミネラルが多く含まれる食事が癌リスクを下げる!!】   国立がん研究センターなどの研究チームが多目的コホート研究を行った結果、野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶などが関連した食生活を続けると、全死亡および循環器疾患死亡のリスクが低下するという結果が得られたと発表しました。 研究では平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県、秋田県、長野県、沖縄県、茨城県、新潟県、高知県、長崎県、沖縄県、大阪府の10保健所管内にお住まいだった、40~69歳の方々のうち、研究開始から5年後に行った食事調査票に回答した

  • 栄養Topics【保存料のプロピオン酸が神経膠症と神経炎症を誘発する!!】

    2019/09/30

    【保存料のプロピオン酸が神経膠症と神経炎症を誘発する!!】   米国セントラルフロリダ大学の研究チームが、胎児の神経幹細胞が加工食品に保存料として添加される高濃度のプロピオン酸に曝露することで、分子レベルの変化を起こすのではないかと報告しました。 自閉症の子供に過敏性腸症候群が多いことが報告されていることから、研究チームは、腸と脳の間の関連を疑い、自閉症患者とそれ以外の人々の腸内細菌叢の違いに着目しました。   研究チームは、神経幹細胞に過剰量のプロピオン酸を曝露するといくつかの方法によって脳細胞が障害されることを発見しました。まず、プロピオン酸はニューロンの数を低

  • 栄養Topics【睡眠時間帯と乳がんリスクの関係について】

    2019/09/11

    【睡眠時間帯と乳がんリスクの関係について】   英国ブリストル大学の研究チームが、睡眠時間が7-8時間以上の人は乳がんリスクが高くなることが示唆されたと発表しました。   過去の研究では、夜勤と乳がんリスクとの関連性が示されていますが、これは睡眠パターンの乱れ、夜間の光曝露、その他の生活習慣の要因によるものと考えられています。しかし、乳がんリスクに対する睡眠習慣の潜在的な影響について、ほとんど研究されてきませんでした。   そこで研究チームは、特定の睡眠習慣が乳がんの発症リスクに直接的な影響を及ぼすかを調べることにしました。 メンデルランダム化と呼ばれ

  • 栄養Topics【ポリフェノールが抗生物質を効果を高める】

    2019/09/05

    【ポリフェノールが抗生物質を効果を高める】   カナダ・マギル大学の研究チームが、クランベリーが抗生物質の効果を高めて、少量でも充分に効くようにするだけでなく、細菌が薬剤耐性を持つのを阻止すること発表しました。   薬剤耐性菌の世界的な拡大により、小さな感染症が致命的になりえた時代の状態へとじりじり戻りつつある現在、抗生物質の有効性の改善が極めて重要な課題となっています。   クランベリー・ジュースには俗に尿路感染症への有効性があるといわれているため、研究チームはクランベリーのエキスによって様々な細菌を処理し、クランベリーの分子特性について掘り下げるこ

  • 栄養Topics【ラットの実験でリノール酸を摂り過ぎると生存率が低下する!!】

    2019/08/26

    【ラットの実験でリノール酸を摂り過ぎると生存率が低下する!!】     豪州グリフィス大学の研究チームがラットを使った研究で、妊娠時にリノール酸を多く摂った場合、妊娠合併症やこどもの成長に影響する可能性を発表しました。   ポテトチップスや植物油などに含まれるオメガ6系脂肪酸、特にリノール酸を多く摂ってしまう現在社会で、リノール酸が炎症の促進や、心臓病リスクの増加と関連することが今までも報告されています。   研究では、妊娠したラットに1日に推奨される3倍以上のリノール酸を与えた結果、仔に有害であったことが明らかになりました。 高リノール