栄養Topics【睡眠時間帯と乳がんリスクの関係について】

2019年09月11日(水)

【睡眠時間帯と乳がんリスクの関係について】

 

英国ブリストル大学の研究チームが、睡眠時間が7-8時間以上の人は乳がんリスクが高くなることが示唆されたと発表しました。

 

過去の研究では、夜勤と乳がんリスクとの関連性が示されていますが、これは睡眠パターンの乱れ、夜間の光曝露、その他の生活習慣の要因によるものと考えられています。しかし、乳がんリスクに対する睡眠習慣の潜在的な影響について、ほとんど研究されてきませんでした。

 

そこで研究チームは、特定の睡眠習慣が乳がんの発症リスクに直接的な影響を及ぼすかを調べることにしました。
メンデルランダム化と呼ばれる手法を用い、英国バイオバンクに登録された約18万人、乳がん協会コンソーシアム(BCAC)に登録の約22万人の女性のデータを用い、朝型または夜型、睡眠時間、不眠症という3つの特定の睡眠特性に関連する遺伝的変異を分析しました。

 

英国バイオバンクのデータ分析では、朝型の人は夜型よりも乳がんリスクがわずかに低い(100人に1人)こととの関連がみられたが、睡眠時間や不眠症とは関連がほとんどありませんでした。
更に乳がん協会コンソーシアムのデータ分析においても、朝型生活と乳がんリスク低下の相関がみられたほか、より長い睡眠期間(7-8時間を以上)による乳がんに対する潜在的な有害作用を示したが、不眠症との関連ははっきりしませんでした。
(既知のBMIやアルコールといった乳がんリスクに比べると、影響が小さいと考えられます。)

 

今回の研究では、睡眠の状況については自己申告に頼っている部分があること、また対象がヨーロッパ系の女性に限られていたので、この知見は他の民族には当てはまらない可能性がありますが、乳がんリスクに対し、夜型を原因とする影響についての強力な証拠を提供しています。

 

■詳しくは下記サイトへ

https://www.bmj.com/content/365/bmj.l2327

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