栄養Topics【酪酸および可溶性繊維は、老化に伴う神経炎症を改善する】
2019年01月15日(火)
【酪酸および可溶性繊維は、老化に伴う神経炎症を改善する】
米国イリノイ大学の動物実験によると、食物繊維は腸内の善玉菌の成長を促進させ、善玉菌が食物繊維を消化する際には、酪酸塩などの短鎖脂肪酸を産生すると発表しました。
実験では老年マウス、若年マウスそれぞれの群に低繊維食または高繊維食を与え、血中の酪酸塩やその他の単鎖脂肪酸の濃度や腸の炎症性物質を測定しました。
すると、高繊維食を与えた場合には老年・若年マウスともに酪酸塩・単鎖脂肪酸のレベルが上昇しました。
しかし低繊維食を与えた場合は、老年マウスだけが腸の炎症を示しました。同じく低繊維食を摂った若年マウスが炎症反応を起こさなかったことは興味深く、加齢による脆弱性を強調する結果になりました。
一方で、老年マウスに高繊維食を与えたところ、腸の炎症は劇的に軽減されました。
さらなる実験により、ミクログリアに特有な約50種の遺伝子を解析したところ、高繊維食が老年マウスの炎症を緩和することがわかりました。
ジョンソン博士は「食べるものは重要です。高齢者の食物繊維摂取量は、推奨量よりも40%少ないようです。充分な食物繊維を摂らないことは、想像だにしないもの、たとえば脳の健康に関連する炎症に対して負の影響がありえるのです」と語っています。
■詳しくは下記サイトへhttps://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2018.01832/full
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