栄養Topics【粘着テープで皮膚細胞を採取し、アトピーのタイプを判別】

2019年04月04日(木)

【粘着テープで皮膚細胞を採取し、アトピーのタイプを判別】

 

コロラド州デンバーにあるNational Jewish Healthが生体組織診断(バイオプシー)ではなく、粘着テープを同じ場所に繰り返し用いて、表面から深い層まで順に回収した細胞から皮膚細胞の性質をかなり正確に調べることが出来ると発表しました。

 

この研究では、皮膚に貼ってから一定時間後に剥がすと、薄い細胞層が回収できるD-Suame Tape Stripと呼ばれる一種の粘着テープを用いて、皮膚の層を深くまで順番に回収する方法で、それぞれの層に存在する細胞の様々な性質を測定し、アトピー誘発に関わる皮膚の遺伝子について調べています。

 

貼ったり剥がしたりを繰り返して、順々に深いところにある細胞層を回収します。その結果、食物抗原に対するアレルギー反応が明確なアトピー(1群)と、この点がはっきりしないアトピー(2群)では、皮膚の構造や性質に質的な差があることが示されました。

 

抗原特異的な食物アレルギーがはっきりした1群のアトピー患者さんでは、炎症巣が起こる前から皮膚のバリアー機能が壊れて、水分の蒸発が高まり、これと並行してフィラグリン分解物レベル、細菌叢、転写、プロテオーム、など様々なレベルの変化が呼応するという結果でした。

 

よって一般のアトピーと食物アレルギーを併発したアトピーとは病気の成り立ちが異なり、後者では皮膚のバリアーが弱いことが先にあって、食物アレルギーが起こり、その上にアトピーの皮膚炎ができるということになります。
よって早いうちから、皮膚のバリアー機能を診断して、アレルギーを抑えることで、1群のアトピー発症を抑えられる可能性があるということが示されました。

 

 

■詳しくは下記サイトへ
http://stm.sciencemag.org/content/11/480/eaav2685

 

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