栄養Topics【n-3系脂肪酸が流産の原因となる子宮感染症を予防!】

2019年03月06日(水)

【n-3系脂肪酸が流産の原因となる子宮感染症を予防!】

 

米国コロンビア大学の動物実験から、魚油に含まれるn-3系脂肪酸の摂取によって、流産・早産・死産・新生児死亡などの一因となる子宮感染症を予防できるかもしれないと発表しました。

 

米国では、10人に1人の赤ちゃんが正産期(胎児が十分に成熟していつ生まれても良い状態になる、妊娠37~41週)の前に生まれています。早産の原因の10~30%は、ごく一般的な口内細菌であるフソバクテリウム・ヌクレアタム(F. ヌクレアタム)が子宮に感染してしまいます。

 

「この種の細菌はどこにでもいて、どの人の口の中にもいます。問題は、それが体のほかの部分に侵入してしまうことです」

 

妊婦の胎盤はF. ヌクレアタム感染の危険が特に高くなり、妊娠中のホルモンの変化は、歯茎の炎症や出血を引き起こす可能性があります。実に妊婦の30~100%に影響を及ぼします。
歯茎の出血は細菌が血流に侵入する入り口を作ることになり、循環器系に入ると、細菌は胎盤に移動してそこで炎症を起こし、時には流産や死産の引き金になるおそれがあります。

 

研究ではマウスを用いて、F. ヌクレアタムが胎盤内の内皮細胞の炎症反応を引き起こしました。炎症反応は特定の免疫たんぱく質が母親の内皮細胞に存在するときにのみ、起こることも分かりました。
このたんぱく質が欠損した妊娠中のマウスでは、胎仔の死亡は少なめになったことから、このたんぱく質が火種となった炎症が早産の重要な要因であることが示唆されました。

 

研究チームは、そのF. ヌクレアタムを抑制する物質としてn-3系脂肪酸を細胞実験で用いたところ、胎盤の炎症とF. ヌクレアタムの増殖を抑制しました。
この結果から、n-3系脂肪酸が早産、流産、死産、新生児死亡を減らすことが示唆されました。

 

■詳しくは下記サイトへ
https://insight.jci.org/articles/view/125436

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