栄養Topics【よく歩く高齢者は肺炎での死亡リスクが低くなる】

2019年02月08日(金)

【よく歩く高齢者は肺炎での死亡リスクが低くなる】

 

1日に1時間以上歩く高齢者は、心筋梗塞または脳卒中の病歴の有無にかかわらず肺炎で死亡するリスクが低いことが、日本人を対象とした大規模な疫学研究(65歳以上の日本人2万人以上を12年間追跡)で明らかになりました。

 

分析対象は65〜79歳の日本人22,280人(男性9,067人、女性13,213人)で、この研究への参加を決めた時点で、さまざまなライフスタイルに関する質問とともに、1日の歩行時間を尋ねました。

 

■質問
・平均すると1日にどのくらい屋内または屋外を歩いていますか?
「0.5時間未満」「0.5時間」「0.6~0.9時間」「1時間以上」の中から選択します。

 

■回答
1日の歩行時間が1時間を超えていた人の割合は、
・心筋梗塞と脳卒中のいずれも経験していない人では50.4%
・心筋梗塞の経験者では41.8%
・脳卒中の経験者では33.9%

 

追跡期間中の中央値11.9年に死亡した人のうち、1203人(男性731人、女性472人)が肺炎で死亡しました。
さらに参加者を、心筋梗塞と脳卒中の経験の有無によって3つのグループに分け、1日の平均的な歩行時間が0.5時間のグループを参照群として、肺炎による死亡リスクの検討を行いました。

 

【心筋梗塞と脳卒中の経験がない人たちのグループ】
1日の歩行時間が0.5時間のグループと比較して、1時間以上歩行していたグループの肺炎による死亡リスクは10%低くなっていました。反対に、歩行時間が0.5時間未満のグループのリスクは、参照群より33%高くなっていました。

 

【心筋梗塞の経験者のグループ】
1日の歩行時間が0.5時間のグループに比べ、1時間以上歩行するグループの肺炎による死亡リスクは34%低いことが分かりました。

 

【脳卒中の経験者のグループ】
1日1時間以上歩行していたグループに、参照群と比較したリスク低下は見られませんでした。一方、1日に0.6~0.9時間歩行するグループの肺炎リスクは35%低くなっていました。なぜこうした結果になったのかは、明らかにならなかった、と著者らは述べています。

 

以上の結果は、心筋梗塞歴のある人を含め、高齢者が1日に1時間以上歩くと、肺炎による死亡リスクが下がる可能性を示しました。

 

■詳しくは下記サイトへ
https://www.jstage.jst.go.jp/…/advpub_JE20170…/_pdf/-char/en

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栄養情報アーカイブページはこちら
http://detox.jp/nutrition.html
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