栄養Topics【保存料のプロピオン酸が神経膠症と神経炎症を誘発する!!】
2019年09月30日(月)
【保存料のプロピオン酸が神経膠症と神経炎症を誘発する!!】
米国セントラルフロリダ大学の研究チームが、胎児の神経幹細胞が加工食品に保存料として添加される高濃度のプロピオン酸に曝露することで、分子レベルの変化を起こすのではないかと報告しました。
自閉症の子供に過敏性腸症候群が多いことが報告されていることから、研究チームは、腸と脳の間の関連を疑い、自閉症患者とそれ以外の人々の腸内細菌叢の違いに着目しました。
研究チームは、神経幹細胞に過剰量のプロピオン酸を曝露するといくつかの方法によって脳細胞が障害されることを発見しました。まず、プロピオン酸はニューロンの数を低下させグリア細胞の数を増やして脳細胞の自然のバランスを崩します。グリア細胞はニューロンの発達と機能を助けるが、多過ぎるとニューロンの結合を妨げます。それは炎症を起こす原因となるが、それも自閉症児の脳について既知の事象です。
過剰のプロピオン酸は、ニューロンが身体の他の部分との通信に使うパスウェイを短縮し障害を及ぼします。減少したニューロンと障害されたパスウェイによって脳の通信能力は損なわれ、自閉症児にしばしばみられる行動障害を起こす。
これまでの研究では、自閉症と環境因子、遺伝因子の関係が提案されてきたが、今回の研究結果は、自閉症と、プロピオン酸の増加、グリア細胞の増殖、神経回路の障害との分子的な関連を見出した初めての結果ではないでしょうか。
プロピオン酸は腸でも合成され、母親のマイクロバイオームは妊娠中に変化するので、それが原因でプロピオン酸濃度が高まる可能性があります。
自閉症児の便中にはプロピオン酸が多いこと、自閉症児の腸マイクロバイオームは異なっていることが研究で示唆されました。
■詳しくは下記サイトへ
https://www.nature.com/articles/s41598-019-45348-z
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