栄養Topics【アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡リスクの関係】

2019年03月22日(金)

【アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡リスクの関係】

 

40歳代半ば以降の日本人の男女は、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科の野菜を多く摂取するほど全死亡リスクが低減する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが発表しました。

アブラナ科の野菜には、抗炎症作用や発がん抑制作用で知られる「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が豊富に含まれています。

 

研究グループは今回、JPHC研究に参加した45~74歳の男女約9万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡、がんや心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患および外因による死亡リスクとの関連を調べました。

 

研究実施には全国11地域に在住し、がんや心筋梗塞、脳卒中の既往がなく、研究開始から5年後の食物摂取頻度質問票に回答した45~74歳の8万8,184人(うち男性4万622人)を対象に、2014年まで追跡を行いました。

 

質問票では漬け物を含む11項目のアブラナ科の野菜(キャベツ、大根、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ、からし菜、フダンソウ、たくあん漬け、野沢菜漬け、白菜漬け)からアブラナ科の野菜の総摂取量を推定しました。

 

2014年までの追跡の結果、15,349人の死亡が確認されました。全死亡リスクは、アブラナ科野菜摂取が一番少ないグループと比較して、一番多いグループで、男性では14%、女性では11%低くなっていました。

 

続いて、アブラナ科野菜摂取と疾患別死亡との関連を検討したところ、男性ではアブラナ科野菜摂取が一番多いグループでがん死亡リスクが統計学的有意に低下していました。

 

女性では、アブラナ科野菜摂取量が一番多いグループで心疾患、外因による死亡リスクが統計学的有意に低くなっており、脳血管疾患による死亡リスクも統計学的有意ではありませんが、同様の関連がみられました。

 

個別のアブラナ科野菜と全死亡リスクの関連についても調べてみたところ、男性ではブロッコリー、たくあん摂取量が一番多いグループで、女性では大根、ブロッコリー摂取量が一番多いグループで死亡リスクの減少が見られました。

 

■詳しくは下記サイトへ
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8153.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29739681

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栄養情報アーカイブページはこちら
http://detox.jp/nutrition.html
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