IMMH(精神疾患のため統合医療)のためのカンファレンスに参加してまいりましたので、ご報告させて頂きます。

2016年11月29日(火)

毎年新しい向精神薬が次々と開発されているにも関わらず、精神疾患により医療機関を受診する患者は後を絶ちません。

世界保健機関(WHO)2012 年の統計データよると、世界中にはうつ病患者は 3 億 5 千人以上、また自殺者は約 40 秒に1人とい うことが判っています。自殺者が 1 万人を超えている国はインド、中国、米国、ロシア、日本、韓国などの 11 ヵ国でした。日本 国内でも、うつ病、統合失調症、自閉症、ADHD、不安障害、認知症、摂食障害などの精神疾患患者数が年々増加しており、従来の 治療方法である投薬だけでは根源治療は難しいというのが実状のようです。

一方で、投薬のみの治療にいち早く限界を感じていた欧米の医師たちは、20 年前から栄養療法(ニュートラスーティカル*/オーソ モレキュラー)・遺伝子(ニュートリゲノミクス)・脳マッピング・神経伝達物質のサポートを含め、患者に合わせて統合的に治療 を行う統合医療の導入を始めています。精神疾患の分野にもこの統合医療が導入され、現在多くの患者が症状を改善し本来の自分 を取り戻せるようになっています。 日本ではまだ珍しいですが、統合医療のカンファレンスが頻繁に行われる米国では、医師、歯科医師、整体師、医療技師、栄養士、 鍼師、カウンセラー、患者などが一堂に会し最先端の情報交換を行い互いに学べる機会があります。

この度、私たちもその一つで もある Integrative Medicine for Mental Health(IMMH:精神疾患のための統合医療)のカンファレンスに出席して参りました。 今年は米バージニア州ワシントン D.C.で 9 月に開催され、精神疾患の統合療法を実践されている 19 名の医師の講演を受講しまし た。中でも特に印象的であったジェームズ・M・グリーンブラット医師、アンドレア・グルスゼスキー医師、テリー・ワォール医師 の講演を暫時ご紹介します。今回は第一弾としてグリーンブラット医師による「気分障害・不安障害のための統合医療」の講演で す。

ニュートラスーティカル* ニュートラスーティカル(Nutraceuticals)とは、栄養素(Nutrition)と病気を治療する医薬品(Pharmaceuticals)の二つの言葉を融合させた医学用語です。米国精神医学会(APA)も栄養療法 をニュートラスーティカルとして導入し始めています。現在は、様々な臨床実験でその効果が証明されています。
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グリーンブラッド先生講演