栄養Topics【鉄高値が心原性脳塞栓症リスクに】

2018年12月14日(金)

【鉄高値が心原性脳塞栓症リスクに】

 

メンデルランダム化解析を用いて鉄動態と脳卒中リスクの関連を検討した結果、鉄高値は心原性脳塞栓症リスクの上昇に関連することが明らかになりました。

 

研究は公共のゲノム研究データベース(Genetics of Iron Status Consortium)から欧州人被験者4万8,972例のデータを用いて、全身鉄高値を検出する4種のバイオマーカーの増減(血清鉄、フェリチンおよびトランスフェリン飽和度の増加、トランスフェリン減少)と3か所が一致することを確認しました。

 

29件の研究データを含むMEGASTROKE コンソーシアムから脳卒中群6万7,162例(非欧州人2万6,577例)と対照群45万4,450例(同4万8,339例)を抽出し、主解析に2標本メンデルランダム化解析を用いて、一塩基多型(SNP)を有する鉄高値と脳卒中リスクとの関連を検討しました。

 

その結果、3種のSNP陽性全体で、各鉄動態バイオマーカーが1標準偏差(SD)上昇するごとに脳卒中リスクは10%前後上昇すると推定されました。

 

また、鉄低値を反映するトランスフェリン増加は、脳卒中のリスク低下と関連していました。
さらに虚血性脳卒中をタイプ別に検討したところ、鉄動態による悪影響は心原性脳塞栓症によることが示されました。

 

Dr Gill氏は「今回の知見は初期段階にあるが、タイプ別の脳卒中や心血管疾患のリスクと鉄レベルの関連に関する研究に、さらに広く取り組むべきであることを示唆する」と指摘しています。

 

 

■詳しくは下記サイトへ
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.118.022701
https://www.ahajournals.org/…/…/10.1161/STROKEAHA.118.022701
■MEGASTROKE コンソーシアム
http://www.megastroke.org/