栄養Topics【脳卒中リスク軽減は、遺伝的リスクより健康的な生活習慣が重要!!】

2018年11月22日(木)

【脳卒中リスク軽減は、遺伝的リスクより健康的な生活習慣が重要!!】

 

英国ケンブリッジ大学が脳卒中の遺伝的リスクのある人でも健康的な生活(食事、ライフスタイル)をおくることで脳卒中の発生リスクを低下させることができると発表しました。

 

ここで定義している健康的な生活習慣とは、米国心臓協会(AHA)のガイドラインに基づいています。
1.喫煙をしていない
2.健康的な食事
3.BMIが30未満
4.週2回以上の適度な運動

 

※AHAの健康的な食事について分かりやすく掲載されているサイトがありました。
https://www.cigna.com/individuals-families/health-wellness/hw/medical-topics/american-heart-association-healthy-diet-guidelines-ue4637

 

 

・毎日様々な果物や野菜を食べる。濃い緑色、濃いオレンジ色、または黄色い果物や野菜は特に栄養価が高い。例としては、ほうれん草、ニンジン、モモ、果実などがあります。

 

・毎日さまざまな穀物を食べる。繊維と栄養素をたくさん含む全粒粉食品を含める。全粒の例としては、オート麦、全粒小麦パン、および玄米が挙げられる。

 

・毎週少なくとも2回、魚を食べる。オメガ3脂肪酸を含む油性魚は、あなたの心に最適です。これらの魚には、マグロ、サケ、サバ、湖沼、ニシン、イワシが含まれます。

 

・飽和脂肪とトランス脂肪が少ない食品を食べる。

 

 

 

今回の研究は英国バイオバンクに登録された306,473名の白人男女について、90の遺伝子変異情報から遺伝的リスクスコアを開発しまいた。(参加者は40-73歳で脳卒中または心筋梗塞の既往歴が無い人)

 

平均7年間の追跡期間中の入院、死亡記録から脳卒中関連事象が集計し、解析した結果、最も遺伝的リスクの高い人々は、最も低い人々に比べて、脳卒中の罹患リスクが35%高いことが明らかになりましたが、生活習慣を考慮すると、各々の遺伝的リスクの中で、最も望ましくない生活習慣の人々は、最も望ましい生活習慣の人々に比べて、66%リスクがさらに高まることが明らかになりました。

 

また生活習慣因子の中で最も重要な関連が見られたのは、喫煙と肥満であることもわかりました。

 

この研究は観察的研究であるため因果関係について確固たる結論を導けず、また生活習慣因子が限定されていること、対象者が白人に限定されているなどの限界を研究チームは指摘しています。
しかし集団規模が大きいことから、脳卒中の遺伝的リスクが高い人々でも、脳卒中リスクを軽減するための生活習慣介入が有効である可能性がことを示唆しています。

 

■詳しくは下記サイトへ
https://www.bmj.com/content/363/bmj.k4168