栄養Topics【ビタミンB12欠乏は感染症リスクが高くなる!!】
2019年04月19日(金)
【ビタミンB12欠乏は感染症リスクが高くなる!!】
ヒト、食事、その細菌叢の相互作用は、健康状態の重要な決定要因です。
米国ライス大学の研究チームは動物実験からビタミンB12欠乏による病原菌への感染リスクが高くなることを確認しました。
実験では、C.エレガンスと呼ばれる線虫を用いて行われました。
体長1mmほどの非常に小さい生き物だが、遺伝子的には人間と約70%もが類似しており、多細胞生物の最小真核モデル生物として利用されています。
C.エレガンスは人間と同じく、ビタミンB12を体内で合成できないため、食事からの摂取が必要となります。
ビタミンB12の欠乏した食事が、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の分解能力の低下によって、部分的に分解されたBCAAの副産物がミトコンドリアの健全性を損ない、毒性の増強につながることが示されました。
C.エレガンスの餌としては大腸菌がよく用いられるが、ビタミンB12を多くもたらす大腸菌を与えた場合と、それに比べてビタミンB12がはるかに少ない大腸菌を与えた場合とでは、ストレス耐性に劇的な違いが生じることが明らかになりました。
ここでいうストレスとは、熱やフリーラジカル誘発化学物質と病原菌です。
今回は、致命的な院内感染菌などとして知られる緑膿菌やフェカーリス菌への感染を、充分なビタミンB12を含む餌によって防げることが示唆されました。
■詳しくは下記URLへ
https://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1008011
ビタミンB 12欠乏症は、米国の成人の10〜40%が罹患しており、貧血から神経学的欠陥まで、さまざまな健康上の問題を引き起こしています。
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