栄養Topics【アントシアニンのバイオアベイラビリティについて】

2019年02月13日(水)

 

【アントシアニンのバイオアベイラビリティについて】

中部大学応用生物学部 津田孝範 教授がアントシアニンの健康機能と摂取量、代謝・吸収、肥満・糖尿病予防に関する研究結果を分かりやすく解説されたサイトです。

 

http://www.mac.or.jp/mail/151001/01.shtml

 

1. 概要
アントシアニンはフラボノイド系の植物色素で、ブルーベリー、ザクロ、クランベリー、ラズベリー等の色素成分に多く構成されています。
色素成分であるため、花の色の変換に関する研究が主体であったが、最近は食品に含まれる生理機能成分の研究に加えて、代謝やバイオアベイラビリティに関しても研究が進展しています。

2. 給源と摂取量
アントシアニンは主にベリー類の果実に多く含まれ、日本人の摂取量は少ないと予想されます。米国で流通している食品中に含まれる平均的なアントシアニン量の比較結果でチョークベリーが一番多く含まれていました。
またヨーロッパではワインを常飲する習慣があるため、摂取量が多い傾向にあります。日本では野菜から摂取する方法が考えられますが、野菜は比較的低い含量のため安定的なアントシアニン摂取に貢献できないと考えられます。

3. 代謝・吸収と機能発見
これまではアントシアニンのバイオアベイラビリティはかなり低い(0.1%程度)と考えられてきましたが、研究ではブルーベリードリンクを摂取すると、血漿に多様なフェノール酸が認められることを報告しています。これらの化合物は、摂取後、1時間で血中に検出され、最大ピークを示す化合物と、数時間後になって検出される化合物があり、アントシアニン等の分解物あるいは代謝物と考えられます。
また250mlのブルーベリージュースを摂取した後、アントシアニンを含まない食事を続けても、5日間にわたり尿中にアントシアニンの代謝物が排せつされることが報告されています。この現象はフェノール酸関連化合物等の代謝物や分解物のみでアントシアニンの健康機能が説明できるかについては、まだエビデンスが不足しているものの、健康機能との関連付けは興味あるところです。

■アントシアニン含量の比較
http://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/060/060-225.pdf

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http://detox.jp/nutrition.html
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